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基礎心理学特論 003 生理学的研究と精神物理学

■ 基礎心理学特論 003 生理学的研究と精神物理学 ■

感覚・知覚の生理学的研究と精神物理学について。

▼ 1.感覚・知覚の生理学的研究
有名なのは、ミュラーとヘルムホルツの2人。

ミュラーは、特殊神経エネルギー説を提唱。各感覚受容器は、その感覚に特有の感覚エネルギーをもっており、受容器がどんな刺激で興奮させられても生じる感覚は同じであるとした。

ヘルムホルツは、ヨハネス・ミュラーから当時支配的だったカント的な自然哲学に関するアプローチを学ぶ。当時自然哲学では、生理的な機能は5感では感知できない生気、もしくは物理法則によらない力で説明されていた。この理論に反対したヘルムホルツは、両者を感覚器官によって知覚できると考え、生理的なエネルギーを機械的に測定し、把握出来ることを確信するに至った。

有名なのは、以下の3つ。

 ・ヤング=ヘルムホルツの三色説
 ・共鳴説
 ・無意識的推論

ヤング=ヘルムホルツの三色説とは、網膜上にそれぞれ異なる物質に反応する3種の物質を仮定し、それらの興奮比率により色の感覚が生じるとする説。赤(R)、緑(G)、青(B)の三原色を想定する。この三色説は混色、補色の事実、またに二代色覚異常を説明するなどの点で優れているが、対比や残像の説明に問題を残している。この原理は現在のブラウン管テレビに応用されている。

共鳴説とは、内耳の特定の器官が調律された共鳴機として機能すると考え、提唱された。音の感覚という同一のモダリティの中でも、高さや音色における感覚の違いは、刺激される神経部位の違いや、それらの組み合わせの違いによるという説。1863年に「聴覚論」を出版し、これにより生気論者は論破された。

※生気論とは、生命現象を説明する哲学的理論で、機械論と対立する。生命の発生、構造、機能は科学では説明できないとする立場。

無意識的推論とは、最初は意識的に行われていたのが、連合と反復の結果、無意識的に行われるようになったとするもの。

▼ 2.精神物理学
精神物理学は、心理物理学ともいわれ、一般的に刺激の物理的性質と、その刺激によって生じる感覚・知覚などの心理的過程との調的関係を研究する実験心理学の分野。

フェヒナーの「精神物理学原論」に由来する。

ウェーバーは、フェヒナーのライプチヒ大学の先輩教授に当たる。皮膚の圧力と温度に対する感覚、そして耳に関する研究によって、実験心理学の道を切り開いた。

「ウェーバーの法則」と呼ばれる感覚の法則は、刺激と、それによって引き起こされる感覚との数量的な関係を公式化したもの。人が感覚的に弁別(違いを見分けて区別)できる最小の差異(弁別閾⊿I)というものは、原刺激(I)の値に応じて比例的に変化するものであるという法則。

⊿I(弁別閾)/I(原刺激)=K(一定)

ウェーバーの後輩教授で実験心理学の始祖といわれるフェヒナーは、心身関係に関する独特の哲学を持ち、その背景の下に精神物理学を創案した。

フェヒナーによると、精神物理学とは、「身体と精神、さらに一般的には物質世界と心的世界、物理世界と心理的世界の関数的依存関係に関する精密理論」であり、「物理学と同様に経験と、それらの経験的事実の数学的結合の上に基礎付けられなければならない」とした。

さらに精神物理学を外的精神物理学と内的精神物理学とに2分。外的精神物理学とは、身体の外的側面と心的過程の間接的な関係を扱い、物理学から知識と方法論を借りる立場である。一方、内的精神物理学とは、身体の内的機能と心的過程の直接的な関係を扱い、生理学や解剖学から知識と方法論を借りる立場である。

ポイントは、以下の3つ。
・精神物理学論
・フェヒナーの法則
・精神物理学的測定法

精神物理学原論は、物質世界と精神世界の関連の解明を目指したもの。フェヒナーの法則とは、ウェーバーの法則を下に感覚量と刺激量との関係についての公式。E=K(定数)logIで、「感覚の強度(E)は、刺激の物理的強度(I)の対数に比例して変化する」というもの。精神物理学測定法は、極限法、恒常法、調整法の3つ。

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